初心者向けモバイルWiFiの選び方-基礎知識をやさしく解説

工事不要で手軽にインターネット環境が手に入るモバイルWiFiは、在宅勤務が普及するなかで利用する人が急増しています。
そんなモバイルWiFiには、WiMAX、LTE、クラウドSIMの3つの種類があることをご存知でしたでしょうか。
今回は、それぞれの基礎知識やメリット・デメリットを初心者の方向けにやさしく解説します。
モバイルWiFiの選び方について解説するハムスター
ジャンガリアン
モバイルWiFiって何だっけ?
ゴールデン
モバイルWiFiとは、持ち運びができる小型のWiFiルーターのことだよ!一般的には“ポケットWiFi”と呼ばれているよ。

モバイルWiFiの種類

モバイルWiFiとLTEを比較する

モバイルWiFiの通信方式位の種類は、大きく分けてWiMAXLTEの2種類があります。

これらはいずれもスマホや携帯などのモバイル向け無線通信規格の一種で、それぞれにメリット・デメリットがあるので抑えておきましょう。

WiMAXとは?

WiMAXってなに?

WiMAXは、UQコミュニケーションズが「UQ WIMAX」のブランド名で提供している無線通信規格の一種です。

「“WiMAX”なら聞いたことがある。」という方も少なくないのではないでしょうか。
実は、WiMAXは2020年3月にサービスが終了している古い規格で、今ではWiMAXの進化版である“WiMAX2+”が主流です。
しかし、一般的にはWiMAX2+のことをWiMAXと呼んでいるので、正式名称はWiMAX2+であると頭の片隅に置いておいてください。

それでは、WiMAXのメリットとデメリットをみていきます。

WiMAXのメリット

WiMAXの主なメリットは以下の2つです。

データ容量が実質無制限
auの4GLTEも使える

それぞれ解説していきます。

データ容量が実質無制限

モバイルWiFiは固定回線と違って基本的に使い放題ではありません。
既定のデータ容量を超えてしまうと通信速度制限がかかるので、毎月どれくらいのデータ容量が残っているか気にしながら使わなければなりません。

一方、WiMAXには「ギガ放題」というデータ容量が実質無制限のプランがあります。
1ヶ月に○GBまでといった上限がないので、インターネットをたくさん使う方は断然おすすめのプランです。

ただし、ネットワーク利用の公平性確保のため、3日間で10GB使うと翌日の18時~翌々日の2時頃まで通信速度制限がかかってしまうルールが設けられています。

上記の約8時間だけ我慢すれば制限が解除されて再びスムーズにネットが使えるようになるので上限が定められているプランよりも使いやすいといえます。

auの4GLTEも使える

WiMAXには「LTEオプション」という、「ハイスピードプラスエリアモード」が使えるようになるオプションがあります。
ハイスピードプラスエリアモードとは、WiMAX2+回線とauの4GLTE回線の両方が使えるようになるモードのことを指します。

なぜauの4GLTEが使えるのがメリットかというと、WiMAXはLTEと比べて障害物に弱いため地下や屋内など一部電波が届きにくい場合があるからです。
そのため、地下的や地下街などWiMAXの電波が届きにくいところでは4GLTEに切り替えて使えます。
また、WiMAX 2+とauの4GLTEを同時に使う「キャリアアグリケーション」で、通信速度をさらに加速できるのもメリットです。

ただし、LTEオプションを利用するには、LTEオプションに対応したルーターを購入し、オプション利用料月額1,005円を支払わなければなりません。

無料で使いたい場合は、3年契約プランに加入するか、auユーザーの方は“auスマートバリューmine”を適用する方法があるので検討してみてください。

注意

LTEオプションを使うと、データ容量が実質無制限のギガ放題プランを契約していたとしても、au4GLTE回線の当月データ通信量が7GBを超えると速度制限がかかるため注意しましょう。

WiMAXのデメリット

一方で、次のようなデメリットもあります。

障害物に弱い
対応エリアがLTEと比べて狭い

障害物に弱い

WiMAXは高い周波数帯を利用していることから障害物に弱く、LTEと比べると山間部や地下、屋内などでは電波が行き届きにくい場合があります。

ゴールデン
屋内での繋がりにくさは、基地局を増やしていることで大分改善されてきているよ!

電波が繋がりにくい地下や山間部等では、先述したauの4GLTE回線に切り替えるなどして対処できますが、そもそも電波が行き届きにくい場所に住んでいる方は固定回線またはLTEの方がおすすめです。

対応エリアがLTEと比べて狭い

WiMAXは対応エリア拡大中で全国の主要都市部においてはほぼ対応できていますが、地方や山間部の場合はLTEの方が広く対応しています。

対応エリア外では使えないので、各社の公式HPで自分の住んでいる地域に対応しているかどうか確認しておきましょう。
※WiMAXの対応エリアはコチラから確認できます。

ゴールデン
UQ WiMAXでは15日間無料でお試しできる「Try WiMAX」というサービスがあるよ!
ジャンガリアン
ちゃんと使えるかどうか気軽に試せるね!

LTEとは?

LTEってなに?

LTE(Long Term Evolution)は、主にスマホや携帯で使われている通信規格です。
第3世代である3G回線を進化させたのがLTEで、データ通信速度は3Gの約15倍速いと言われています。

ゴールデン
3Gの“G”は、“Generation”の頭文字をとった略称だよ。

ちょっとややこしくなりますが、LTEは3Gと4Gの中間にあたる通信規格で、3.9Gとも呼ばれています。

また、LTEは4Gができるまでの橋渡し的な規格であったため4Gとの差はそれほどありません。

そのため、最近ではLTEを4Gと呼ばれることが認められ、通信会社によってはLTEを“4G”と表記している場合があります。

ジャンガリアン
LTE=4Gって覚えればいいってことだね!
ゴールデン
その通り!ちなみに、LTE系のモバイルWiFiは、Y!monileのPocket WiFiが有名どころだよ。

LTEのメリット

LTEには次のメリットがあります。

比較的電波が繋がりやすい
対応エリアが広い

こちらも詳しくみてみましょう。

比較的電波が繋がりやすい

LTEでは、低い周波数帯を使っているため障害物に強く電波が繋がりやすいのがメリットです。

WiMAX2+で使われている高い周波数帯は、速度は速いけれども障害物にあたると電波が反射してしまいます。

しかし、LTEの低い周波数帯は、障害物に回り込んで電波を届けてくれるので屋内や山間部、地下などでも繋がりやすくなるのです。

対応エリアが広い

WiMAX2+は全国の主要都市をメインに展開していますが、LTEでは、都市部はもちろん地方や山間部など幅広いエリアに対応しています。

旅行が趣味の方や出張が多い方などは、対応エリアが広いLTEの方がおすすめです。

LTEのデメリット

実質無制限プランはY!mobileのみ
WiMAXよりも通信速度が遅い

実質無制限プランはY!mobileのみ

LTEを利用したモバイルWiFiで、ギガ放題プランのような通信量実質無制限を実施しているのはY!mobileの「Pocket WiFiプラン2」のみです。

Y!mobileで実質無制限を利用するにはPocket WiFiプラン2に契約し、有料のアドバンスオプションに申し込む必要があります。
アドバンスオプションでは、実質無制限で利用できる「アドバンスモード」と月7GBの制限がある「標準モード」に切り替えができるオプションのことを指します。

Pocket WiFiプラン2とアドバンスオプションを合算した月額料金は以下の通りです。
比較として、ギガ放題の月額料金も記載しています。

実質無制限プラン 月額料金
【UQ WiMAX】
ギガ放題プラン
3,880円
【Y!mobile】
Pocket WiFiプラン2+アドバンスオプション
4,380円
ジャンガリアン
それほど差はないけどWiMAX2+の方が安いんだね。

「実質無制限で使えるのに何でデメリットなの?」と思われた方もいらっしゃるかと思います。

実は、アドバンスモードは利用可能エリアが限られているのがデメリットなのです。
以下の地図は、WiMAX2+の制限なしで使えるエリアとアドバンスオプションが使えるエリアを示しています。

制限なしで使えるエリアの比較

アドバンスドオプションは紫色に塗られたエリアしか利用できません。

ジャンガリアン
WiMAX2+の方が制限なしで使える対応エリアが広いね!
ゴールデン
アドバンスオプションは都市部ならほぼ対応できているけど、WiMAXの実質無制限プランの方が対応エリアが広いうえに料金も安いんだ!

また、アドバンスオプションでも3日間で10GB使うと当日18時~翌1時の間、通信制限がかかります。

通信速度はWiMAX2+よりも遅い場合が多い

LTEのメリットで、「障害物に強く屋内や山間部でも電波が繋がりやすい」点を紹介しました。

その理由は、低い周波数帯を利用しているからでしたよね。
低い周波数帯だと障害物に強く通信も安定するのですが、通信速度が遅くなるデメリットがあるのです。

WiMAXとLTEの違いの図

環境にもよりますが、一般的なLTEの下り最大通信速度は100Mbps~200Mbpsです。
一方で、高い周波数帯を使っているWiMAX2+は光回線並みの下り最大速度1.2Gbpsに対応するルーターがあります。

ゴールデン
最大通信速度は様々な条件をクリアしてようやく実現する速度なので、環境によってはLTEが速いこともあるよ!

モバイルWiFiの新生【クラウドSIM】

モバイルWiFiの通信方式には、LTEとWiMAX2+の2種類があると冒頭で述べましたが、最近では「クラウドSIM」という新生のモバイルWiFiが登場しています。

クラウドSIMは大手3キャリアのLTE回線を利用しているので、冒頭ではあえてモバイルWiFiの通信方式は2種類と述べました。
しかし、モバイルWiFiの種類をさらに細かく分けるとするならば、以下の3種類が存在するといえます。

回線の種類 主な提供会社
WiMAX2+ UQ WiMAX、 BIGLOBE、 WiMAX 2+、 Broad WiMAX
LTE Y!mobille、 SoftBank、 Docomo、 au
クラウドSIM どんなときもWiFi、 Mugen WiFi、 よくばりWiFi

クラウドSIMは今大注目のモバイルWiFiで、

通信量が無制限で3日10GB制限がない
国内大手3キャリアの電波が使えるうえに海外でも使える

といった特徴があります。

ジャンガリアン
WiMAX2+とLTEのいいとこどりをした、まさに理想のモバイルWiFiだね!
ゴールデン
スマホの格安SIMが普及してきているように、これからはクラウドSIMの時代がくるかもしれないね。

クラウドSIMの仕組み

クラウドSIMとは?

クラウドSIMのモバイルWiFiは、国内ではDocomo・au・SoftBankのLTE回線に対応しており、使用するエリアによって最適な回線に自動で切り替わります。
分かりやすく言うと、auの回線が使えないエリアではSoftBankの回線に切り替わり、海外では現地の回線に切り替わる仕組みです。

また、各回線の情報は名前の通り“クラウド”上で管理されているので、SIMカードを入れる必要もありません。

クラウドSIMのメリット

クラウドSIMには次の3つのメリットがあります。

海外でもそのまま使える
データ通信量無制限の場合が多い
料金が安い

海外でもそのまま使える

別途利用料が発生しますが、クラウドSIMのモバイルWiFiは海外でもそのまま使えます。
国内ではDocomo・au・SoftBankの大手3キャリア、海外では現地の回線を自動で拾ってくれるといったイメージです。

データ通信量無制限で提供されている場合が多い

クラウドSIMのモバイルWiFiサービスでは、データ通信量無制限で提供している事業者がほとんどです。

さらに、WiMAX2+やY!mobileのPocketWiFiは無制限といいつつも3日10GBの制限がありますが、クラウドSIMの場合はそのようなデータ容量制限もありません。
※不正利用やネットワーク占有レベルの大容量通信を行った場合制限がかかることもあります。

料金が安い

代表的なクラウドSIMサービスの月額料金は以下の通りです。

Mugen WiFi3,718円〜

※料金は変更になる場合があります。

WiMAX2+は3日10GBの制限ありで月額4,268円~ですが、上記のクラウドSIMは大手3キャリアの回線が使えるうえに制限もありません。

ジャンガリアン
クラウドSIMの方がお得だね!

クラウドSIMのデメリット

料金が安く、海外でも使えるなどメリットが盛りだくさんのクラウドSIM。
一方で、次のようなデメリットもあるのです。

海外では無制限で使えない場合も
最大通信速度が遅い
接続するまで時間がかかる

海外では通信量無制限ではないことがある

例えば、どんなときもWiFiの場合、海外旅行時の通信量は1日あたり1GBまで、オーバーしてしまうと通信速度制限がかかってしまいます。

1GBでは足りない方は、有料のオプションに申し込まなければなりません。

ゴールデン
有料とはいえ、どんなときもWiFiでは1日あたり1,280円~(渡航先による)だから大手キャリアの国際ローミングより安い場合があるよ!
ジャンガリアン
環境にもよるけどマップの経路検索は1GBで1,000回以上できるから、フリーWiFiも上手に使えば1日1GBでやりくりできそうな気もする…。
注意

また、渡航先によっては、法律上通信できない場合もあります。
海外旅行に持っていく場合にはクラウドSIMが使えるか事前に確認しておきましょう。

最大通信速度が遅い

クラウドSIMの通信速度は、WiMAXなどと比べると速くはありません。
どんなときもWiFiの速度を、UQ WiMAX、Y!mobileと比較してみました。

提供会社 ルーター機種 下り最大 上り最大
UQ WiMAX W06 867Mbps 75Mbps
Y!mobile 803ZT 866Mbps 37.5Mbps
どんなときもWiFi D1 150Mbps 50Mbps

ただし、動画やネットサーフィンなど問題なくできる速さなので、速度重視しない方には十分なスペックです。

接続するまで時間がかかる

クラウドSIMは回線を拾う際に、クラウド上で管理しているサーバーにアクセスしなければなりません。
そのため、ルーターの電源を入れてから利用できるようになるまで、1~3分ほど時間がかかります。

モバイルWiFiの選び方

ここからは、最終チェックとして選び方のポイントをまとめました。
以下の4つのポイントを抑えて自分に合ったモバイルWiFiを選んでみましょう。

居住地が対応エリアに属しているか
自分に合ったデータ容量を確認
実質月額料金が安いか
契約期間に注意

居住地が対応エリアに属しているか

モバイルWiFiは、一部地域に対応していないことがあります。
公式HPで自分が住んでいる場所やよく使う場所が対応しているかどうかチェックしておきましょう。

できるだけ広いエリアで使いたい方LTEがおすすめ
都市部メインで使う方WiMAX2+がおすすめ

自分に合ったデータ容量を確認

各社では、ネットをあまり使わない人向けの月7GB等の上限設定があるプランと、ネットをたくさん使いたい人向けの実質無制限プランがあります。

データ容量をオーバーしてしまうと、通信速度制限がかかってしまうので月7GB以上使うは実質無制限プランがあるモバイルWiFiを選びましょう。

▼実質無制限プランを提供している事業者

UQ WiMAX
Y!mobile
クラウドSIM(どんなときもWiFiなど)

※Y!mobileとUQ WIMAXの実質無制限プランは、3日で10GB以上使うと夜間に通信制限がかかります。

実質月額料金が安いか

モバイルWiFiの実質月額料金は、だいたい2,000~5,000円程度です。
実質月額料金が安く実質無制限プランで選ぶ場合は、WiMAX2+またはクラウドSIMがおすすめです。

また、WiMAX2+はプロバイダ(販売代理店)でもサービスを提供しています。
プロバイダによっては、高額なキャッシュバックを行っていたり実質月額料金が安かったりするケースが多く、公式で契約するよりもお得になる可能性が高いので必ずチェックしておきましょう。

契約期間に注意

スマホと同じようにモバイルWiFiにも、「2年縛り」や「3年縛り」などの“契約期間”が設けられている場合があります。
契約期間中に解約すると違約金(契約解除料)が発生してしまい、多いときには2万円前後の違約金を支払わねばならなくなる場合もあるので要注意です。

ゴールデン
プロバイダのなかには、他社からの乗り換え時に違約金をいくらか負担してくれるキャンペーンを実施している場合があるよ!

自分に合ったモバイルWiFiを選ぼう

自身がどのモバイルWiFiが合っているかなんとなく分かりましたでしょうか。
下記では、どのモバイルWiFiどのような人におすすめかをまとめたのでご参考ください。

WiMAX2+がおすすめの方

都市部に住んでいる
通信速度が速くて実質無制限かつ月額料金も安いモバイルWiFiが欲しい

LTEがおすすめの方

地方や山間部など幅広いエリアで使いたい
電波が障害物に強く安定した通信を求めている

クラウドSIMがおすすめの方

通信速度は気にしない
データ容量制限なしのモバイルWiFiを格安で使いたい